診療のご案内

サイレント・マニュピレーション

サイレント・マニピュレーション(非観血的関節受動術)とは?

治療の目的

肩関節周囲炎(いわゆる40肩・50肩)や肩腱板損傷などの診断で、内服や関節内注射、リハビリなどの治療を行っても、関節の固さや痛みが完全に改善しないことがあります。
特に関節の固さは短期間に形成されたものではなく、痛みのために動きを自然と制限していた時期が長かったため、関節の柔軟性が失われ固くなってしまったものです。関節の柔軟性が失われるというのは、肩関節を包んでいる関節包という組織が、長い間動かさなかったために、縮こまって固まってしまい、周りとくっついてしまった状態のことです。
この状態を拘縮肩・凍結肩などと呼びます。この治療方法は痛みをとって動かすことしかありませんが、長い経過で形成されたため、一朝一夕に改善できるものではありません。
そのような凍結肩に対する新しい治療法として、サイレント・マニピュレーションが考案されました。これまでは入院して全身麻酔下に手術として行っていたものを、片方の腕だけに麻酔をかけることで、入院することなく外来で短時間に行う画期的な方法です。片方の腕だけに麻酔をかけることで、意識はそのままで痛みのない状態を作り、固まってしまっている関節を動かして動きの幅を取り戻すことできます。

治療方法

まずベッドに横向きに寝ていただき、超音波エコーを用いて神経血管を確認しながら、処置を行う側の首に針を刺し、神経周囲に局所麻酔剤を注射します。約20分後に肩関節周囲の痛みがなくなっていることを確認し、腕をゆっくりと全方向に動かして固まっている関節包を周りから剥がして、破断させ、肩関節の動きを取り戻します。動きが改善したことを確認した後に、関節内に鎮痛剤の注射を行います。無理に動かしたことによる骨折がないか確認のレントゲン撮影を行い、問題ないことを確認したら終了です。

治療後のご注意

治療後は、神経ブロックの影響で一時的(概ね6~8時間前後)に腕が動かせなくなるため、お帰りの際は三角巾の着用をお勧めいたします。治療当日は車や自転車の運転はできませんので、徒歩でご来院ください。
治療後も再拘縮を防ぐために関節を動かすことが必須です。麻酔が切れればご自身で動かすことが可能となりますので、翌日からでも良いので動かすことはしっかりと継続してください。また、治療の効果を最大限にするためには、当院の理学療法士による運動器リハビリテーションを併用されることを強くお勧めいたします。

合併症、当日のご注意

超音波で神経血管を確認しており、神経血管を刺してしまうなどの可能性はかなり低いですが、ごくまれに神経血管損傷の可能性があります(これまで当院ではありません)。また麻酔薬によるアレルギーの可能性もかなり低いですが、どのような方にも起こりえます。そのため、麻酔薬にアレルギーのある方は行えません。また、固まっている関節を動かす際に骨折を起こしてしまう可能性もごく稀にあり、重度の骨粗しょう症の方にも行えません。
治療当日、基本的に飲食の制限はありませんが、万が一、気分不良などが起こる可能性を考慮し、治療する前(4時間前後)の食事は避けていただく方が良いでしょう。他院からの内服薬は必ず服用してください。
終わりましたら、飲食の制限はありません。治療中に気分不良などがなければ、治療後の安静も必要ありませんので、ご帰宅していただいて大丈夫です。

治療時間

麻酔から治療終了まで約1時間かかります。そのため、治療をご希望の方は、診療受付時間終了の1時間半前までに受診をお願いいたします。

ご注意

初診の方は、まず診察、検査などがあるため、初診当日には行えません